【5,地下鉄乗車】
 街行く人々は、誰も同じ格好をしていて、黒っぽいコートにズボンを穿きマフラーをしている。お洒落をしている人がほとんどいない。地下鉄・栄光駅でも、地味な服を着た市民が忙しなく行き来していた。
 駅の切符売り場から地下ホームに続くエスカレーターは急な斜面でとても長かった。地下ホームはとても深いところにある。これは、有事の時に地下ホームが核シェルターになるからである。地下ホーム内は宮殿のように豪華で、壁一面に故・金日成氏を賞賛する絵が描かれていて、天井にはシャンデリアがあった。
 電車は、2,3分に1本あり、どこに行っても2ウォン(約3円)だ。電車内の壁にも、故・金日成主席と金正日総書記の写真が掲げてある。
 電車の中に団体でガヤガヤと乗り込んで写真やビデオなどを向けてパチパチと撮っていると、乗客の人々が一斉にこちらを凝視した。
 乗客の方々は不快な気持ちになったのだろうかと思いきや、座席に座っていた何人かの男性が立ち上がり、私たち団体に向けて、どうぞ座ってください、と5人分ぐらいの空席をジェスチャーで勧めた。
 ガイドは、「みんな外国人が珍しいから注目しているんですよ。でも気持ちは親切です。儒教の国ですから、私たちは道徳心を重んじるのです」とおっしゃっていた。
地下鉄・栄光(ヨングアン)駅 地下鉄内部
長いエスカレーターを深いところまで降りていく。 地下鉄ホーム。天井にはシャンデリア。
ホーム内の壁面に絵が描かれている(電車の向こう)。 ホーム内の壁面に描かれている絵。
電車内にも金日成・金正日父子の写真が掛かっている。 烽火(ポンフア)駅のホーム内にある壁画。

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6.万寿台(マンスデ)の丘