2006年4月19日(水)「『国家の品格』藤原正彦・著(新潮新書)」

 今後日本をどういった国にしていくべきか、日本の良さを取り戻して独自の道を歩むための指針を与えてくれる学者のエッセイだ。とても読みやすく書かれているので、子供から老人まで、ふだん本を読まない人々にもお薦め(私のHPの「お薦めの本と映画」のページにも載せました)。

 「国家の品格」という本によれば、キリスト教のプロテスタンティズム、特にカルヴァン主義が資本主義をすすめたということだ(マックス・ウェバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に詳しく書いてあるそうだ)。
 カルヴァン主義というのは、救済されるかどうかは神の意志によりあらかじめ決定されているという「予定説」で、このため、「自分はあくまで救われる側に入っていると確信し、疑念がわいたらそれを悪魔の誘惑としてはねつける」という精神になったそうだ。
 そしてその自己確信を得るために、神から義務として与えられた職業に励み、その金で生産やサービスを向上させることが隣人愛となったということだ。
 この思想の影響を受けたロックが「個人は自由に快楽を追及して良い、全能の神が社会に調和をもたらしてくれるから」と言い、アダム・スミスも「個人が利己的に利潤を追求すると、神の見えざる手に導かれて社会の繁栄が達成される」と言った。
 このようにして、各自が利己的に利潤を追求していけば、「神の見えざる手」に導かれ、社会は全体として調和し豊かになる、という金銭至上主義・競争主義の市場原理が生まれた。
 ロックが言い出した「主権在民」という民主主義とは国民が主役だから、民主主義とは世論がすべてということであり、世論とはマスコミだということだ。つまり民主国家で戦争を起こす主役は、たいていマスコミに踊らされた国民なのだ。国民はたいがい無知で未熟なので、国がおかしな方向に進んでしまうというわけだ(私たちは賢くならないといけない)。
 日本がつぶれてしまうのを防ぐためには、真のエリートが必要で、真のエリートになるためには、文学、哲学、歴史、芸術、科学といった何も役にも立たないような教養をたぷりと身につけ、大局観や総合判断力、国家や国民のために喜んで命を捨てる気概を持っていることが条件となる。
もともと日本人にとって自然とは「もののあわれ」という言葉があるように、自然に対して畏怖心やひざまずく心があり自然と調和して生きようという自然観があった。だから神道が生まれ、この情緒が日本民族としての謙虚さを生んだ。
 情緒が日本人の良さであり、武士道精神によって育まれ、武士道の最高の美徳として「敗者への共感」「劣者への同情」「弱者への愛情」「卑怯を憎む心」が重要視された。
 つまり、日本が生みだした普遍的価値のうち、最大なものは「もののあわれ」など、自然への畏怖心やひざまずく心や感受性や情緒、そして武士道精神なのだ。
 国家の品格を保つには、精神性を尊ぶ風土であることが必要だ。文学・芸術・宗教など直接役に立たないことをも重んじて、金銭や世俗的なものを低く見るという、役に立たないことをも尊ぶという風土を作っていくことが大事だ。
 そして、これが戦争をなくす手段になるのだ。
 日本が開国した当時、イギリスやアメリカなどが日本を植民地にしようと思えば出来たはずだが、できなかった。それはイギリス人が江戸の町に来て、日本人があちこちで本を立ち読みしているのを見て、「とてもこの国は植民地にできない」と諦めてしまったからだ。日本は品格があったがゆえに、植民地にならなくて済んだのだ。
 このように文化度が高いこと、国家に品格があるということは、防衛力にもなるのだ。
 欧米人の精神構造は「対立」に基づいていて、彼らにとって自然とは人間の幸せのために征服すべき対象であり、他の宗教や異質な価値観は排除すべきものだ。
 日本人にとっては自然は神であり、人間はその一部として一体化していた。田園が乱れているというのは、金銭至上主義に冒され美しい情緒が衰退している恥ずべき姿だ。
 日本人の美しい情緒の源にある「自然との調和」は、戦争廃絶への鍵となる。日本人はこれを取り戻し世界へ発信していくべきだ。それが日本の神聖なる使命なのだ。
 今のままでは、アメリカの言いなりになっているだけと見なされ誰も日本を尊敬してくれない。

 ということが書いてあった。良いことが書いてあるなあと思った。この本がベストセラーになっているということは日本にも希望が持てるような気がするのだが、まだまだ無知で未熟な国民が多いので、この先どうなることやら…(私も賢くなるために今後は織物活動を減らして読書をするつもりだが)。とりあえずいざという時のために、お金を貯めておいた方が自分のため。

 ネット書店の「国家の品格」のページ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106101416/qid=1145456727/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/250-3798820-7224223

 ところで、先日、渚音楽祭に行った。光ステージが好みだった。 パーティが終わった後、ゴミがたくさん散乱していたのでびっくり(前はこんな風ではなかったような…)。でも「A SEED JAPAN」の人たちが、ボランティアでゴミ拾いをされていたので、心打たれた。「エコレンジャー」という人たちも持続可能な社会にしていくために個人でできることは何か、アイデアを書いて宣伝する活動をしていた(下記ページ)
http://ecoranger-nagisa.buzznet.jp/user/

「A SEED JAPAN」のページ
http://www.aseed.org/

 こういった方々が増えれば、日本は救われるような気がする。
 
公正な社会を目指して政策を市民と創っていくJACSESも応援したいNGOだ。
「JACSES」のページ
http://www.jacses.org/about_jacses/vision.html


2006年3月5日(日)「ライブドア事件/誇りを捨ててアメリカに従う日本」

 時間がなくて、しばらく更新をしていませんでした。もしもHPに何度か訪れてくださった方がいらしたら、すみません。
 今後も気が向いた時だけ書くつもりなので、更新が滞りがちです。

 HPの更新など、お金にならないことは後回しになってしまう。やっぱり本業が一番大事。二番目に読書が大事(と言っているわりには読んでいない)。読書や小説創作や織物などは、生活の安定があって楽しめるもの。時間がないので、今後は織物の注文製作などはやめるつもり。
 
 書きたいことは沢山あるのだが、少しづつ書いていこう。とりあえずライブドア事件について考えたこと。

 倫理やスピリチュアルなものが軽視されている世の中、ライブドアが行っていたような粉飾決算は、程度の差はあれ、多くの会社や企業が行っているのではないだろうか(粉飾とは呼ばないまでも、知識のある狡猾な人間ならグレーゾーンの中で数値を操ることはいくらでもできるだろう)。粉飾決算以外にも、儲けるためなら倫理を無視して利益追求する会社や企業は多い。(『ザ・コーポレーション』という映画を参照    http://www.uplink.co.jp/corporation/)
 ドンキホーテも、オリジン東秀(オリジン弁当)にTOB(株式公開買い付け)を仕掛けて買収しようとした。オリジン東秀は反発しドンキホーテに抵抗するため、イオンの傘下に入ることを希望。イオンは白馬の騎士となって、オリジン東秀を助けるため、ドンキホーテの買い付け価格より高い値段でTOB(株式公開買い付け)を実施した。 TOBに失敗したドンキホーテは、オリジン東秀の買収をあきらめるかのような宣言をした。これでオリジン東秀はイオンの子会社になるのだと思いきや、今度はドンキホーテは市場でオリジン東秀の株を大量に買い占め、ついに半数近くを保有することになった。
 ドンキホーテは、2004年にも連続放火事件で3人の死亡者を出している。消防法に違反し、商品を山積みにして避難経路の確保をしていなかったのだ。さんざん、消防庁から指導を受けていたのに、避難経路の確保より商品を山積みにして利益を得る方を優先していた。
 今回、ドンキホーテは最終的には買収をあきらめたのだが、人々に意見を聞くと、多くの人々が「資本主義だから良いんじゃないの。オリジンが反対なら、始めから上場しなければ良いのだし」と口々に言っているのには違和感を感じた。
 以前は、敵対的な買収などして人の嫌がることはしないという暗黙の了解があったように思う。それはそういう行為をしてまでお金を儲けると言うことが恥ずかしいという感覚があったからだと思う。
 今、そういった恥の感覚を持つ人はどれぐらいいるのだろう。多くの人の中で、仕事の意味が、崩壊している。
 ホリエモンも、球団買収に名乗りをあげたり中古車企業や証券会社などを買収したり、政治家に立候補したり、やることに関連性がなく、ただ儲けるためだけに、何でもいいから企業を収集してあちこちに顔を出している、という感じだった。
 何のために働いているのかわからないこの空しい生き方、現代人の象徴のようだった。しかも、ホリエモンの生き方に憧れている若者が多かったというのだから、不気味な世の中だ。ライブドアやドンキホーテが敵対的買収をしようとすると、世の多くの人々も、敵対的買収を肯定したりする。そしてマスコミが一斉にホリエモン叩きに転じると、世の人々も一斉にホリエモンを非難する姿勢に転じる。
 権力やマスコミや政治家など大きな力を持つものに対して、世の人々はすぐに翻弄されてしまう。3月5日付けの毎日新聞に、全国世論調査で65パーセントの人々が憲法改正に賛成していると書いてあった。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060305k0000m010094000c.html
 賛成派に理由を聞いたところ「今の憲法が時代に合っていない」が53%と最多だったらしい。この理由は改憲派の政治家が言っていることとまったく同じだ。まるで自分の考えがないみたいだ。本当に自分の頭で日本の未来のことを考えようとしているのだろうか。日本では、「長い物には巻かれよ」という格言があるように、大きな勢力にはただ従うという生き方が良い生き方とされている。前にイラクで起きた邦人人質事件でも、高遠さんら三人が、はみ出た行動だとして日本社会から袋だたきに合っていた(三人のボランティア精神など日本ではまったく無視された)。日本の学校では、他の生徒たちと少し違っていたりすると、理由もなくいじめの対象になったりする。いじめを見て見ぬふりをする生徒も多い。いじめに対して毅然とした態度で叱れる教師も少ないのではないだろうか。
 太平洋戦争の時、日本人は、愛国心のため、天皇のため、日本民族としての誇りのために戦ったのだ、という人がいるが、本当だろうか?
 敗戦すると突如、日本人は、「ギブ ミー チョコレート」とアメリカ人にすり寄っていったのだ。それ以来、今日まで日本はアメリカに媚びへつらっている。
 つまり、「長い物には巻かれよ」の「長い物」が天皇からアメリカになっただけのことではないだろうか。(本当に日本人が、愛国心や誇りのために戦ったのなら、戦後アメリカに占領されても、抵抗し戦い続けたと思う)
 こうして、長い間、日本はアメリカの属国となっている。日本国憲法も、アメリカに意向に沿って戦争のお手伝いをするために、変えられようとしている。

 そして、日本の経済もアメリカに翻弄されている。
 儲けることが一番大事な資本主義社会では、儲けることが第一、と自分のことしか考えない企業や会社や人々が量産されていく。親分であるアメリカのやり方が間違っているから、日本の人々も病んでいく。
 アメリカのお金持ち上位10パーセントぐらいの人達が、アメリカの富全体の約70パーセントを独占し、ヘッジファンドがその金をデリバティブなどにより何倍何十倍にも膨らませ、その金は国際金融市場を駆けめぐり、世界中のあちこちでバブルと崩壊を起こし経済を不安定にしている。株価も、外国人投資家によって操られている。郵政民営化によって得をするのも外国人だろう。
 80年代後半の大バブルと崩壊もアメリカが仕掛けた。プラザ合意によって政府はドル安円高になる政策をとったのだが、予想外の円高になり輸出企業が不振になり不況を招くおそれば出てきた。そこで政府は金利を大幅に下げたのだが、今度は過大な過剰流動性が生まれ、バブル相場となった。そのため日本は金利を上げて金融引き締めをしようとしたのだが、87年にアメリカにブラックマンデーが起こり株価が大暴落したため、アメリカは日本に低金利継続・超金融緩和状態維持を強要した。
 そのため、空前の土地と株の超バブル相場が生まれてしまった。
 アメリカは、日本に低金利継続・超金融緩和状態維持を迫った張本人にもかかわらず、日本の金融機関の資産が世界に突出する状況に焦りだした。そこで、日本の金融バブル潰しにかかった。アメリカが打った手は、BIS規制(自己資本率が8パーセント以上ないと銀行の国際業務ができない)を導入したうえで、日本株に大量の株売りを浴びせたのだ。そのため株が暴落し、日本政府の土地融資抑制策が相まって、土地・株バブルの大崩壊となった。
 つまり、バブルを作ったのも壊したのも日本政府だが、それを仕掛けたのはアメリカなのだ。
 私たちが銀行に預けているお金の一部も何倍にも膨らんで投機的なお金になり、バブルと崩壊に加担している。私たちが何気なく預金している行為が、実は世界の誰かを傷つけたり傷つけられたりしているのだ。
 その結果、会社がつぶれたり大借金を背負ったり失業する人が増えて、自殺者が増えたりする。
 父親が忙しくて育児に参加しないばかりか、母親も育児を十分にできないまま仕事をしたりするので、心に問題を抱える子供が増え、キレたりいじめをしたりする。問題を抱えた子供が大人になり、社会に迷惑をかけるようになる。

 世の中は、真の価値や意味といったものと儲けが一致しにくい構造になっている。
 心から世界を良くしていこうとしてNGO・NPO活動をしても、なかなか生活の糧を得ることにはつながらないし、良い作品を作っている芸術家や文学者でも貧しい生活を余儀なくされている人は多い。
 逆に、細木数子みたいな、世の中の不安につけこんで適当なことを言って年間に何十億と簡単に稼いでいる人もいる。
 企業は利益追求のために営まれているし、アメリカが推し進める経済のグローバル化や金融の自由化によって、世界は倫理なきエゴイストの方が儲かる仕組みになっている。
 このため、人々の心や意味といったものが破壊されていき、言葉の力が弱くなっていくのだろう。
 企業の経営方針や社会への貢献度などには目もくれず、ただ「儲かるから」という理由で、ネット上で一日に何回も株の売買を繰り返す個人投資家が増えていくのも、仕事の意味が崩壊しているからだ。
 デイトレーダーたちが、クリックするだけで一日に何万円〜何千万円も儲けている一方で、仕事に生きる意味とか価値とか心の充足を求めて、汗水垂らして毎日コツコツと働く人間には、たいしてお金が入らない。貧乏になるばかりか、国の操り人形みたいに働かされて、読書や運動や思考する時間もなくなっていく。株をする人間も、株をしないで汗水垂らしてコツコツ働く人間も、マスコミや国家や大多数に翻弄される愚民になっていくわけだ。

 株式投資は、ホットマネーの流れに便乗してアブク銭を得ることだが、アブク銭を得ることで大儲けできるという意味では、他の商売に就いても同じではないだろうか。
 文学やアートでもそうだ。特に文学的な小説など、人々は特に読みたいとは思っていないので、本来売れない。だから良いものを作ったから売れるというより、わかりやすいものや簡単に希望を与えてくれるもの、若い美人が書いたとか、有名な賞を取った、という人々を楽しくサプライズさせるものが売れるのだ(賞は、そのための装置だ)。文学者もアーティストも会社員も、国家の操り人形のように、あくせく働くしかなく、大儲けするためには人々をサプライズさせアブク銭を発生させるしかない点では同じだろう。

 日本は高度経済成長をして経済大国になった。確かに日本人は機械のように働き自動車など良い製品を作ったが、良いものを作っただけでは売れない。なぜ売れたかというと、それは誇りを捨ててアメリカの子分となったため、発展途上国には不利に、先進国には有利にできている差別的な貿易体制に組み入れてもらい、世界の差別や戦争を仕掛けるアメリカを支持し、親分のアメリカに沢山買い取ってもらったために、急速に経済発展したのだ。朝鮮戦争やベトナム戦争でも、アメリカの戦争を応援して儲けた。経済大国の日本に生まれて良かったね、と笑っている人は多いが、日本の経済も、世界の野蛮な差別の上に成り立っているわけで、これも一種のアブク銭だということを、自覚すべきだろう。

 アブク銭大国というと、アメリカだ。先住民を虐殺し、他国に侵攻し、強国に有利な貿易体制を作り、富を搾取してきた。アメリカは税金の半分ぐらいを軍事力に使い、金融業に力を入れて、投機取引により巨額な金を一瞬のうちに儲けたりしている。アメリカは浪費しまくって慢性的な赤字だが、基軸通貨特権でドルを刷り放題、世界にドルをじゃぶじゃぶ使わせるため経済の自由化を推し進めている。アメリカの失業率や労働者の低賃金は改善していないのに、国内で不動産バブルを起こさせ景気を良くしている。
 資本主義社会の裕福層は、こうしたアブク銭によって潤っているのだ。

 だから、真の価値や意味といったものと儲けが一致せず、他人を錯覚・期待させ欲望を掻き立てるのが上手な人間、世の中の矛盾ある仕組みに疑問も持たずお金と楽しいことだけを追いかける人間、自分のことしか考えていない人間の方が得をする仕組みになっている。
 その結果、何のために働いたり結婚したり子供を産むのかわからなくなって、少子化やニートが増えていき、ホリエモンのように仕事の意味が儲けることだけになり、決算書を粉飾しても罪悪感がなくなっていくのだろう。

 「THE CORPORATION」では、商品を買わせて消費を拡大させていくように働きかけるコマーシャルを心理学者が協力して制作し、それを小さな子供が見ている様子、金トレーダーが9・11のテロやアメリカがイラクを攻撃した時に、真っ先に「これで金の値段が上がる!」と思ったと語っていたのが不気味だった。
 仕事の目的が儲けることになると、倫理とか意味とかスピリチュアルなものが破壊されていくのだろう。
 アメリカや日本などの資本主義社会は、<仕事とは自然を開拓(破壊)し人間から労働力を搾取して儲けるためにあり、大企業に入ると沢山儲けることができる。そのためには成績が良くないとダメ、勉強ができない若者や才能や能力がない人間は存在意義ナシ、格差があって当たり前、自分さえ良ければよい>という価値観に覆われている。アメリカで起きたコロンバイン事件も、こうした世の中の仕組みが原因だろう。
 かといって、倫理やモラルやスピリチュアルなものを大事にして、他人の幸せと自分の心の充足のために働くと、儲からなくなって経済的に貧しくなったり、人と違うということで浮いたりする。
 この世の中では、正しく生きようとすればするほど、生きにくくなる。特に日本では、一人で良いことをしても、みんなと違っていると浮いてしまう。たとえば、夏にネクタイをしないで出勤する人がいると以前は白い目で見ていたのに、政治家がクールビズなどと言って社会全体に促すと、夏にネクタイをしなくても、人々は笑顔で受け入れるようになるのだ。
 環境や平和や人々の幸せのために社会を変えようと、主張したり行動しようとすると、「またその話?」と言われたり時間取られたり余分にお金がかかったりする。世界で起きている現実と向き合って、何とかしようと考え、見返りを期待せず行動する心ある人間の方が深刻になり絶望的になったりする。
 地球は1つの生命体であるというガイア仮説を唱えたことで有名なジェームス・ラブロック博士は、1月16日のイギリスの新聞インディぺンデント紙に「地球の温暖化は、もうすでに引き返せる地点を過ぎてしまった。手遅れである」という絶望的な説を発表した。
 http://comment.independent.co.uk/commentators/article338830.ece (英語ページ)
 http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum/ (日本語ページ)

 結局この世の中では、何も考えず大きな勢力に盲目的に従う人間や自分のことしか考えない人間の方がのほほんと笑って儲けて得をしているわけだ(こういう人が多いから、地球はどんどん悪くなっていくのだ)。

 私たちはこの醜さを直視して、世の中を良くしていくためにどうすれば良いか自分の頭で考え続けるべきではないだろうか。
 私たち日本人は、誇りを捨ててアメリカに追従し経済成長をしてきた、という事実にどう向き合ったら良いのか、考えるべきだと思う。

 ところで「白バラの祈り」という映画、とても興味がある。ヒトラー独裁政権下のドイツで、それを批判して打倒を呼びかけるビラを製作・配付した罪で処刑された21歳の短い生涯を閉じた女子大生についての実話だ。
http://www.shirobaranoinori.com/
「ホテル・ルワンダ」も観たい映画だ。
http://www.hotelrwanda.jp/

 円安、円高、金利、銀行の仕事や世界経済の仕組みについて、経済の基礎的なことを知りたい方は、『エコへの一歩』A SEED JAPAN発行、http://www.aseed.org/shop/b5.html がお薦めです。

 「細野真宏の経済のニュースがよくわかる本」もわかりやすいですが、自民党支持の立場で書いてあるため洗脳されないようにご注意を。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093793050/250-3798820-7224223


2006年3月4日(土)「アメリカのイラン攻撃に反対署名を」

米国のイラン攻撃の危険が高まっているということで 国際署名が行われています。

■■ 米国のイラン攻撃を阻止する国際署名のご案内 ■■

http://stopwaroniran.org/petition.shtml

(1)上のページの右側のフォームで(*)印のついているのが必須
入力項目ですので、これのみ説明します。

 First Name:名前 例 Hideki
 Last Name:姓 例 Matsui

 名前を公表して構わない方は"Add my name to the online list of signers on StopWarOnIran.org"の前にチェックを入れて、その下の""List my organization"の3個の選択肢は""as a signer"のままにしておいて下さい。

 Address:町名以下の住所 例 1-2-3 Kanamori-cho
 City:市町村 例 Hiroshima-city
 State/Region:'Other'を選択
 ZIP:郵便番号を'-'を入れずに
 Country:'Japan'を選択
 Area Code and Phone:市外局番を含めた電話番号
 Email:電子メールアドレス

 StopWarOnIran.orgから情報が欲しい方は、"Sign me up for updates and action alerts from stopwaroniran@stop-war.org (low volume) "の前にチェック。

(2)ここまで入力したら一番下の[Submit]をクリック

(3)用意してあるメッセージが表示されるので、 [Preview message]をクリック

(4)送りたい人リストが出てきますので、 スクロールして顔を眺めたら一番下の[Send Message]を クリック

(5)"Thank you for letting President Bush, Vice President
Cheney, Secretary of State Rice, Secretary of Defense
Rumsfeld, U.N. Secretary-General Annan, Congressional
leaders, and the media know you want NO WAR ON IRAN! ”
   というお礼のメッセージ画面が出たら終了。

■用意されたメッセージの日本語訳(仮訳 どすのメッキー 16 Feb. 2006)

私は重大な関心を持って、米国の新しい戦争(今回はイランの人々に対して)の 脅威が増大しているのを見守っています。

メディアは、イランがいわゆる核の脅威を引き起こし、米国が軍事行動を起こす必要があると仮定する報道でいっぱいです。 こうした報道は、数ヶ月のうちにイラクでの戦争に導いた 「大量破壊兵器」のストーリーを思い起こさせます。

イラクへの不法な侵略に導くために、 ブッシュ政権は、イラクは大量破壊兵器を大量に備蓄していて、 45分以内に米国に対し核兵器や生物化学兵器で攻撃を開始することができると 断言しました。

アメリカは直ちに攻撃しなければならない、 「キノコ雲(決定的証拠=the smoking gun )が発生するという 最終的な証拠を待つ」ことはできない」と、ブッシュ大統領は言いました。 今、わたし達は誰でも、この宣伝が侵略戦争を正当化するための でっちあげだったことを知っています。
もはや、こうした報道はすべて、 イランの人々に対する軍事行動を正当化するために同じようにつくられたもの だということが分かっています。
イランを国連安保理事会に連れて行くのは、 一方的な攻撃を始めるための前奏曲です。ちょうどイラクの場合のように、 どんなアメリカ政府による主張も公平な検証に耐えうるものではありません。
イランは核拡散防止条約(NPT)で求められる事をこえて、 押し付けがましく屈辱的な査察に従いました。いずれの査察でも、 イランが核兵器開発に着手しているという証拠は見つかりませんでした。

民間居住地域に核兵器を使用した政府はひとつしかありません。
そして、同じ国が地球上で最も大量破壊兵器を備蓄しています。
最も危険で信じられないことには、まさに今この瞬間にも、 単に脅迫するだけではなく実際に使うために、 新世代の戦術核兵器が開発されているのです。
その国は、言うまでもなくアメリカ合衆国です。
核兵器の恐ろしさについてあるがままに議論するには、 ペンタゴンに備蓄された大量破壊兵器と、 アメリカ合衆国の攻撃と介入の歴史を含めるべきでしょう。

イランはアメリカによってたいへん苦しめられました。
アメリカが、民主的に選出されたM.モサデク博士の政権を転覆し、 パーレビ国王に玉座を戻したこと(CIAがもっとも自慢する成功)を 思い出します。
25年にわたり、数百万のイランの人々が痛ましい命の犠牲と引き換えに圧制を打倒するまで、シャーは、まずアメリカの石油会社の利益のために鉄のこぶしでイランを支配しました。過去27年間、アメリカの制裁のために、 イランが発展する権利を妨げ、人々にたいへんな苦しみを味あわせたのです。

今、中東における新しい戦争がもたらす荒廃に反対するすべての声を、 大きく告げることが不可欠です。 私は、ワシントンが、イランの人々に対して制裁、敵意、そして虚偽の宣伝を 行うのをすぐにやめるよう強く求めます。
私は、イランに対するどんな新しい攻撃にも反対します。
わたし達には帝国のための終わりのない戦争ではなく、 人間が必要とする基金こそ必要なのです。

■イランに関する情報 ピックアップ

【Iran Is Judged 10 Years From Nuclear Bomb】
(By Dafna Linzer Washigton Post "nd Aug.2005)
 http://tinyurl.com/am7rx

「新しい分析を直接知っている政府筋によれば、米国の主な情報機関の再調査は、
イランが核兵器の主要な構成要素を製造するには、 以前の約5年という評価を倍にして、およそ10年かかると予測した。
注意深く言葉を選んだアセスメントは、 ホワイトハウスの力強い声明と好対照をなす。
政府官僚は、テヘランが核兵器保有に決定的に近づいていると主張するが、 証拠は提示されない。 新しい評価は、イランの核の野望を乗り越えるための外交的な時間を もっと与えるかもしれない。
ブッシュ大統領は危機が外交的に解決されるのを望むが 『すべてのオプションがテーブルにある』と言った。
 ‥‥‥)(冒頭仮訳 どすのメッキー 16 Feb. 2006)

■注目blog(英語)
【No War on Iran!】
http://no-war-on-iran.blogspot.com/

■イランの歴史は、下記中東ゼミのページが詳しいです↓
http://www.geocities.co.jp/Berkeley-Labo/6691/rekishi.html


2006年1月10日(火)「沢口友美さんの死を悼む」


 ストリッパー・反戦活動家の沢口友美さんが白血病で亡くなられた。といっても、このHPに訪れる人に、この方を知っている人はいないだろう。私も付き合いがあったわけではなく数時間しか喋ったことがないのだが、訃報を聞いて信じられない気持ちになった。現実を受け止めるにつれて、無念な気持ちで胸が締め付けられる。

 去年の夏、沢口さんが療養されていた実家がある広島・呉の喫茶店でお話したのが、最初で最後だった。明るく笑顔で、ご自身の白血病について喋っておられた。「友達や知り合いに私白血病なのよ、と言うとみんな深刻な顔をしてちょっと身を引くのよ。明るい白血病なのにね。言わない方が良いのかな?」と何でもないような感じで笑顔で言っておられた。大病を患っておられるのに、花が咲いたように明るく華やかな雰囲気を持っておられる方だった。本来なら、健康な私が元気を与えてあげるべきなのに、私の方が逆に元気をもらったのだ。
 この時、沢口さんは、こう言っていた。
 「骨髄移植をすれば助かる見込みが高くなるから、家族の白血球の型が自分に適合するかどうか検査をしたの(白血球の型の適合確率は兄弟姉妹間で4分の1、非血縁者間だと数百人〜数万人に1人しか適合しないと言われている)。そうしたら、結婚している方の妹(妹さんが二人おられる)とぴったり型が合ったから、妹から移植を受ければ高い確率で命が助かるの。医者が、それが一番良いと言う。でも妹の夫が移植に反対をしているから、できるかどうかわからない。一人で東京に出て好き放題して、病気になったら田舎に戻ってきて面倒みてくれなんて甘いよ、という気持ちがあるみたい。だから妹からの移植はあきらめて、骨髄バンクでドナーを探そうと思ってる。本当は東京で治療したい。知り合いは多いけど、頼れる人がいなくって」
 ということだった。この話がとても心に残っていた。この他、保険がなかなか下りないこと、適合者を見つけるために支払う検査費用が一人当たり約3〜4万円かかること、お金が足りないというお話もされていた。
 そして、骨髄バンクでドナーが見つかったのだが、この場合、助かる見込みは40〜50%だと沢口さんのブログに書いてあった。
 手術後、かなり激しいGVHDを起こして、苦しい思いをして息を引き取られた。あまりにあっけない死に、私は呆然としている(また東京で会えると勝手に思いこんでいた)。

 私はご家庭の事情についてはまったく知らない。沢口さんがお話されていたことが頭に残っていたので、そのままをここに記した。沢口さんは、病気になる前から発芽玄米を食べたり野菜ジュースを飲んで健康に気遣っていたとおしゃっていた。本当に無念だった。自分に何もできなかったのが恥ずかしい。
 たった数時間しか接することはなかったけど、暖かい人間味のある方だった。
 ご冥福をお祈りいたします。

 沢口友美さんのページ
 http://air.ap.teacup.com/kure/

 沢口友美さんの記事
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_01/t2006011123.html

移植片対宿主病(GVHD)(Graft Versus Host Disease)
骨髄移植をした場合に、ドナー(提供者)の白血球が患者の体を「他人」とみなし免疫反応を起こして攻撃してしまうこと。急性GVHD(皮疹、下痢、肝障害や多くの内臓障害)、および慢性GVHD(皮膚症状、目の乾燥、口内炎、肝障害など)が知られている。

後記
 告別式に出席されたある方は、「(適合者だった)妹さんはとても気にしている。沢口さんが亡くなられたのは、妹さんから移植を受ければ良かったという問題ではなく肝臓が悪かったためだ」と話されたそうだ。


2006年1月2日(月)「少子化/耐震強度偽装事件」 

 耐震強度偽装事件はまったく許されない犯罪だが、いろいろな分野で程度の差はあれ、人々は中身よりも見かけの方を大事にして商売していると思う。食品だっていろいろ添加物や農薬が使っていて見かけ重視だし、本や映画も考えさせられる深いものより楽しげなエンターテイメントの方が売れるし、政治家を選ぶ時も深く考えないで見た感じや印象で選ぶ人が多いし、人間だって中身よりも見かけの方が大事にされているように思う。
 街を歩いていると、見た目の良い人間や商品に目がいくので、最初に見かけに惹かれてしまうのはきっと本能的なものなのだろう。でも世の中、イメージばかりが散乱していて、中身や内面を直視しない風潮がある。親は願望を込めてイメージで子供を見ていて内側を見ていないように思うし、男と女もイメージで相手を見て誤解が多いような気がする。モテる人とモテない人との落差が激しく、モテる人には人々が誤解や錯覚をして群がっている場合が多い。商品を選ぶ時も、人間関係を作る時も、外側にあるイメージで対象を見て錯覚や誤解をしたり、されたりすることで、人気が出たり儲かったりしていると思う。資本主義社会では、こういうアブクの部分がとても大きい位置を占めているのだ。
 私は前に歯科の世界にいたことがあるが、虫歯を取り残して充填物や冠をして再発したら歯磨きが足りないからだと患者さんのせいにしたり、保険点数を水増して医療費を請求をする歯医者はとても多かった。保険点数の水増しは常識だった。何年か前に、東京医科歯科大学が保険点数を水増して請求をしていたことがニュースになっていたが、これは氷山の一角だった。
 世の中、心から人のためになろうと働く人は少ないと思う。それよりも儲ける方が大事なのだ。競争して他人から秀でたいという勝利感や儲けたい気持ちから技術を切磋琢磨している人間の方が多い。子供たちだって、心から社会の人々のために尽くしたいと考えて勉強している子供よりも、将来の安定のためや親や教師に誉められるためや他人と競争して秀でたいという勝利感や優越感から勉強している子供の方が多いだろうと思う。
 子供も大人も、自分のことしか考えないで生きていて、表面的なものにばかりとらわれているのだ。
それで、何か問題が発覚しても、口では「すみませんでした」と言うのだが、誰も心から反省していないように思う。悪いことをしたとわかっていても、自分だけに責任があるのではない、と思っているのだ。特に大人はそうだ。姉歯もそう。
過去の戦争で、世界で何千万人もの犠牲者を出した最高責任者である昭和天皇も裁かれないし、戦犯に指定された人々も、堂々と復帰して、政治家になったり実業家になったりして日本を牛耳ってきた。
 日本は、「すみませんでした」と言って、中国などにお金を払ったが、心からは反省していない。他の国々も悪いのに、なんで日本だけが反省しなくてはいけないの? というのが日本の多数派の本心なのだ。
 最近、ブッシュ大統領がイラク戦争の開戦の根拠が誤っていたことを認めているが、それでもアメリカも、戦争支持した日本も反省しない。
 イラクでは、何万人も沢山の人々が殺され、今後も放射能による被害で苦しむ人が大勢いるというのに。
 みんな沢山の罪を犯しているのに無責任なのだ。

 天皇制という無責任体制と、その中で生きる大勢の人々が作り出す無責任な流れが、なぜ子供を産んで育てるのだろうか、なぜ結婚をするのだろうか、なぜ働くのだろうか、なぜ生きるのだろうか、なぜ人を殺してはいけないのだろうか、といった生きていくことの意味が感じられない世の中を作っている。
 多くの大人は、命は大事と言いながら、沢山の人々が理由もなく殺されたイラク戦争を支持している。これでは、子供たちも「命が大事」という大人たちを信用することはできないだろう。
 自分が寂しいから、自分の老後のために子供が欲しいという人はいるが、心から社会に貢献したいと思って子供を欲しいという人はどれぐらいいるのだろうか。
 お金を稼ぐために仕事をして、寂しさを紛らすために恋愛・結婚して、自分の老後のために子供を産んで、など自分のことしか考えていない人間が圧倒的に多い。これは世界の仕組みの根本に問題があるのではないだろうか。弱肉強食と自由競争で徹底的に利益を追求するために働く企業と市場のグローバル化に問題があるのだと思う。(この社会システムに関しては、『ザ・コーポレーション』という映画や本が参考になります)http://www.uplink.co.jp/corporation/

 社会システムが、自分のことしか考えない人間を大量生産していると思う。
 そのため、いろんなものとのつながりが希薄になり、命や労働や結婚や性の意味がわからなくなっていき少子化や独身者や離婚やニートや青少年犯罪が増加しているのだろう。先進国の日本が、性産業がとても繁盛している国であると同時に『世界一のセックスレス大国』でもあるのは、そのためだと思う。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1503696/detail?rd

 日本の場合、ペリーの来航の時、砲艦外交で不平等条約を結ばされ半植民地にされて、グローバル・マーケットに取り込まれてから、人々の心がおかしくなってきた。
 日本は「脱亜入欧」「富国強兵」を目差して、欧米から文明を取り入れてきたが、同時に「日本人とは何か」ということがわからなくなり、ただ機械みたいに働くだけで、自信のない寂しい心になっていった。(明治以降の文学は、空虚な心を描いたものばかりだ)
 それまでの歴史とのつながりが、明治維新を境に希薄になってしまった(明治維新以降は脱亜入欧と大国を目差して戦争ばかりだ)。
でも発展途上のうちは、厳しい現実と逃げることのできない規範の中で食べていくしかないから、「日本人とは何か」とか生きる意味など抽象的なことは問われなかった。しかし今の日本は食べるに困らないし便利になったから、いろんなことの意味の問題が浮上してきているのだ。
 鎖国をやめて外国から文明を取り入れていったのは良かったと思う。でも今から江戸時代を見ると、とてもオリジナリティのある文化だったし、人々も感動したり笑ったり泣いたり濃い人生を送っていたと推測する。

 日本は過去の戦争によって、骨抜きにされてしまい一時の感情で右にいったり左にいったり主体性がなくなったと思う。明治維新の時に、天皇のために戦争に行って死ねるように国民を統合するため、廃仏毀釈をして日本の精神文化を破壊した。日本は、アメリカなどの欧米列強の国々から人種差別を受けて屈辱を味わい、追いつめられて太平洋戦争を起こし、原爆を落とされた上に東京裁判で差別的な判決を受けて屈辱を味わった。日本の軍部でも、上司の命令を聞かないと暴力を受けて、兵士たちは屈辱を味わっていた。
 戦後に、日本を弱体化させるためにアメリカが占領政策の一環として行ってきた「3S(スポーツ・セックス・スクリーン)政策」(セックス、スポーツ、映画を振興させれば、日本人は軟弱になって反抗しなくなるだろう、と当時の占領軍首脳部は考えたのだ)で、ますます日本人は骨抜きにされ、権力や一時の感情に従うばかりの「烏合の衆」(例えば選挙の際にマスコミに踊らされたりするなど)となった。
 戦後、天皇や戦犯など軍部の中枢にいた人々が、堂々と社会に復帰した。アメリカの罪も問われないし、日本の戦争責任者たちも罪を問われないし、それどころか彼らは過去のやり方を社会の中で引き継いできた。儲けるためなら下の人間が犠牲になっても構わない、という感じだ。上下関係があって、下の人間は理不尽なことでも上司の言うことをハイハイ聞いてペコペコして、機械の部品のように扱われた。
 戦争責任者のような上の立場の人間はもっと悪いことをしたのに罪を問われないから、仕事を誤魔化しても、まあいいっか、という感じでプチ姉歯のような人が増えて、国家から個人のレベルまで無責任が蔓延し、いろいろなことの意味がわからなくなり倫理観が低下した。
 人々は、能力や条件の有無で優劣がつけられ、能力や才能や見かけが劣っていると存在意義なしとされた。女性も性の商品のように扱われ、ブスは無価値とされた。人々は無価値というレッテルを貼られるのを極度に恐れ、空虚から逃れるように、長い物に巻かれてますますあくせく働き、女は男に気に入られるように肌を出し整形や化粧や着飾ることにうつつを抜かすのだ。そしてみんな、自信のなさや心の空虚を満たすために有名なものや見かけが良いものに飛びつき消費している。こうしたからくりで日本は経済成長したのだが、人々の心は虚無と寂しさと自信のなさに蝕まれていった。
 ストレスのたまった孤独で空虚な人々が、痴漢をしたり女子高生を買ったりして、性産業が繁盛した。
 みんな内面を問わず表面を追いかける愚民になってしまった。そのため、魅力的な人が少なくなり、尊敬できる異性を見つけるのが難しい世の中になったのだ。
 家では、くたびれた魅力のない夫より子供の成績や志望校ばかり気にする妻がいて、そんな大人たちに幻滅してしまった子供がキレたりいじめをしたりする。他人から存在意義なしと決めつけられて、自分には価値がないと思いこんだ子供がナイフを振り回し、若者が自傷行為をし、解雇された大人が自殺する。経済的に自立できるようになった女性は無理して結婚する必要がないから独身が増える。たとえ結婚しても世の中や将来に希望を持てないから子供を産みたい気持ちが削がれる(こんな世の中では、子供の誕生を手放しで喜べない。生まれて良かったね、というよりは、この先子供が世の中で生きていくことを考えると気の毒になってしまうのだ)。
 このように、アメリカから誇りを奪われた日本では、大人の社会から子供まで、連鎖的に人間から誇りが奪われ無責任になり、魂が傷つけられ、いろんなことの意味がわからなくなり、沢山の問題が生じているのだ。
 こうした負の連鎖の行く末が、少子化だったり、独身者や離婚やニートや青少年犯罪や自殺者の増加なのだと思う。
 国が少子化対策のために補助金を交付したとしても、根本的な解決にはならない。少子化、独身者や離婚やニートや青少年犯罪や自殺者の増加、戦争、紛争、環境破壊、誤った歴史認識、世界の格差が広がる自由貿易、などは根本のところでつながっている。
 世の中を良くしていくには、この巨大な流れの向きを変えていかなればいけない。
 日本を責任と倫理観ある社会にしていくためには、まず昭和天皇や戦犯に指定された戦争責任者たちの罪をはっきりとさせ、けじめをつけていくことだ。そして他の国々の戦争責任も追及していくべきだ。

 だが世の中の流れはなかなか変わらない。相変わらず、日本はアメリカの言いなりだし、アメリカは勝手に戦争を起こしたり、軍事力を背景に弱肉強食の自由競争を押しつけて世界の人々の誇りを奪い続けている。
 この流れがどうして変わらないかと言うと、日本の親分・アメリカの多数派が、自分の国は民主主義で自由で良い国だと思いたいから、自分の国が先住民を侵略・虐殺して成り立っているインチキ国家だと現実を認めるのは辛いから、反省したがらないのだ。ヨーロッパの国々も、自国が他国を侵略して奪った富によって築かれた泥棒国家だとなかなか認めたくないのだ。日本も、アジアを侵略・虐殺したなんて、認めたくないのだ。口では「反省しています」と言ったり、お金を払ったりはするが、心から反省しているわけではない。
 だから、歴史の教科書には、世界の国々が行ってきた侵略・虐殺を、「進出」と書いている。「進出」という言葉には、「企業進出」という時のような、積極的で果敢な、というような肯定的な意味を含んでいる。このように先進国が過去の忌まわしい歴史を反省していないから、相変わらず負の連鎖が続いていくのだ。だから日本も、おかしくなっていくのだ。

 どうして世界の国々が、自国の非を認めて反省したがらないかというと、過去の非を認めてしまったら、自分たちの心の拠り所やアイデンティティが崩れてしまうからだと思う。
 過去の忌まわしい歴史を直視して非を認めることで、多くの人々の心の拠り所がぐらついてしまうのだ。
 歴史認識が変わると、時代の流れが変わると思う。これからは、自国の非を認めても誇りが傷つかないように、地球市民という新しいアイデンティティや人間としての誇りを持つことが大切だと思う。そのように世界の人々に心の教育を施すのが良いのではないかと思う。

 社会主義や共産主義の、私有財産を認めないという思想も受け入れられないが、資本主義と社会主義がバランス良く融け合った社会が良いのかなと思う。
 社会民主主義が良いのではないかと思って、最近心の中では社民党を応援している。


2006年1月1日(日)「謹賀新年/趣味があれば楽しく生きていける」

 明けましておめでとうございます。今年は、HPの更新が少なくなると思いますが(一ヶ月に一度ぐらい)、たまに訪れてみてください。今年も当サイトと作品をよろしくお願いいたします。皆様にとっても良いお年になりますように。

 最近、編物もやっていて、毎日がとても楽しい。織物も大好きなのだけど、編物は電車の待ち時間などちょっとした時間に、いつでもどこでも楽しめるのが魅力。次の小説の主人公の女の子にも編物をやらせるつもり。
 日々、織物や編物にふけっていると気持ちが良くなって、世の中の問題がどうでも良くなってくる。こういう楽しみはほどほどが良いのだろう。織物や編物を趣味でやっていたり仕事にしている人で、腱鞘炎になったり本も読まず政治や世界で起きていることに無関心になっている人がとても多い。技術を極めた一流の職業人(職種にかかわらず)でも、忙殺されるせいなのか、政治・社会の問題を他人事としてとらえたり無関心になっていたり本も読まない人をよく見かける。その結果、政治腐敗して国が間違った方向にすすみ、生きにくくなっていくのだ。国が悪くなっていくのは、こうした一人一人の責任なのだ。
 楽しく生きるためには、自分なりに、世界や人間に興味を持ち、本を読み、政治や社会問題と向き合っていかねばならない。でも最近、私もマネー関係の本しか読んでいないし、日記を書くのも面倒くさい。特に、政治や社会について意見を言うのがとてもおっくうだ。
 少子化は進み、経済的格差は広がり、青少年犯罪やニートや自殺者もいっこうに減らないが、人々は何も文句を言わないし自分たちで自民党支持したのだから自業自得ではないか、と思う。それどころか、平和や反戦を訴えたり社会や国に批判的になると「変わった人」という目で見られる始末。
 それなら、こちらは日々を楽しんで、いざとなったらいつでも逃げられるようにお金を貯めておくのが賢明かと思う。いろいろ技術を身につけたり外国語の勉強もしなくては。日記など書いている暇はない。小説も書きたいし。
 でもたまには書かないとすっきりしないので、これから少子化や耐震強度偽装事件について考えを記しておこう。